どうもサクです!
何回かこのブログで取り上げた新海誠監督の”秒速5センチメートル”
最初に見た時より、だんだん引き込まれていく感があって数回見返しています。特に「桜花抄」、「コスモナウト」、「秒速5センチメートル」の3部構成の中の最後の話に登場する数秒のシーンが一番切ないなと思ったのでそこを中心に書きます。
先に自分が一番切ないと思うシーンの場所を書いておきます。
本編、58分48秒から56秒までのシーンです。この8秒間に切なさが詰まっています。自分はプライムビデオで見ているので多少のズレはあるかもしれないです。
さくらの花びらの意味するものとは
主人公の貴樹とヒロインの明里が仲が良かった時にしている会話で「桜の花の落ちるスピードって秒速5センチメートルなんだって~」みたいな会話をしています。そして「来年も一緒に桜みたいね」みたいな幸せな会話をしています。
挿入歌の”One more time, One more chance”が流れ出す直前のシーンで明里はホームで東海道線を待っています。智樹は特段用もないがコンビニに入って雑誌を読んでいます。細かいですがNewtonが置いてあるコンビニって意識高いよね。
二人は夢を見たそうで、その夢は貴樹が明里のもとに栃木まで会いに行った時の思い出。過去記事でも書きましたがだいぶ衝撃的で忘れられない思い出でしょう。特に智樹はずっと心に残っているでしょう。明里は貴樹に渡そうと思って渡せなかった手紙を引っ越しの整理をしている時に見つけて夢に出たのでしょう。
まあとにかくこの作品における桜っていうのは二人の思い出のメタファーなのではないのかと。
落ちてきた桜の取り扱いの差が切ない
挿入歌が流れてからのシーンは二人を対に映していくシーンが多いです。
転校先の学校に登校する二人。手紙を交換しなくなったけどポストを見ると視線を向けてしまう二人。彼女とうまくいってない貴樹と彼氏と幸せそうな明里。
もうすでにここだけで相当切ないんですけど先に上げたシーンは一番切ない。
ベランダでタバコを吸っている貴樹、仕事の休憩中なのかボンヤリしてると桜の花びらがちょうど落ちてきます。場面は切り替わって明里もマンションのベランダのところでジョウロ片手に外を見ています、そうして明里の元にも桜の花びらが落ちてきます。
ここからです。
明里は少し懐かしそうに桜を見てます。いやもしかしたら懐かしいとも思っておらず「あー桜だな」みたいなくらいにしか思ってないかもしれません。そしてマンションの部屋から誰かに呼ばれて、恐らく結婚した旦那に呼ばれて桜は忘れて笑顔で振り返ります。そしてその後すぐのシーンで貴樹は桜の花びらをぎゅっと握りしめると。
まあ、それを見なくても明里の指に結婚指輪が光ってるシーンで既に切ないんですけど。
貴樹は忘れられず、明里は忘れて今の楽しさを感じているというとっても切ないシーン。わずか8秒にこれを詰め込むってすごいなと。